ボレート化リン脂質を含む潤滑組成物
专利摘要:
本発明は、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物に関する。本発明は、差動制限装置を潤滑するための潤滑組成物の使用をさらに提供する。一実施形態において、本発明は、(i)潤滑熱安定性、(ii)潤滑酸化安定性、(iii)摩擦係数、(iv)燃料経済性、(v)沈着物制御、(vi)シール適合性、および(vii)機械のガタガタ音(異常騒音)のうちの少なくとも1つの受容可能なレベルを提供するための、差動制限装置における、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物の使用を提供する。 公开号:JP2011506636A 申请号:JP2010536973 申请日:2008-11-21 公开日:2011-03-03 发明作者:マーク;アール. ベイカー,;ガブリエル;ビー. ローズ, 申请人:ザ ルブリゾル コーポレイションThe Lubrizol Corporation; IPC主号:C10M169-04
专利说明:
[0001] (発明の分野) 本発明は、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物に関する。本発明は、差動制限装置を潤滑するための潤滑組成物の使用をさらに提供する。] 背景技術 [0002] (発明の背景) 輸送手段における差動制限装置は、代表的には、湿式マルチプレートクラッチを使用し、すなわち、クラッチプレートは、潤滑剤中に浸漬されている。上記差動制限装置は、代表的には、それらの回転速度とは無関係に2つの駆動ホイールに対して均一に駆動トルクを分布させるベベルギアもしくはスパーギア遊星形システム(planetary system)を有する。このことは、上記駆動されたホイールが、それらの異なる回転速度にも拘わらず、上記ホイールと道路表面との間の空転(slip)なしに曲がる間に回転することを可能にする。上記空転が制御されるように、摩擦性能、分散剤および硫黄含有極圧剤および/もしくはリン含有極圧剤を改善し得る化合物を含む潤滑剤が、使用され得る。このタイプの潤滑剤の例は、米国特許第5,547,586号;同第4,180,466号;同第3,825,495号;および欧州特許出願第0 399 764 A1に開示されている。] [0003] (i)沈着物制御(米国特許第3,284,409号)、および(ii)摩耗性能に適した化合物を含む潤滑剤は、国際出願WO 96/037585、米国特許出願第2002/0119895号、および米国特許第5,487,838号に記載されている。] [0004] 米国特許第5,487,838号は、ホウ素化合物およびリン脂質の反応生成物を開示する。上記反応生成物は、多くの潤滑剤(オートマチックトランスミッション流体、ギアオイル、もしくはトラクター流体(tractor fluid)が挙げられる)において使用され得る。] [0005] 米国特許第5,135,666号は、水素化リン脂質(水素化レシチンを含む)、抗酸化剤、分散剤、シール膨潤剤(seal swell agent)、耐摩耗剤および粘度調節剤を含む潤滑組成物を開示する。上記水素化リン脂質はまた、金属と反応させられ得る。] [0006] 米国特許出願第2002/0119895号は、(A)モリブデン化合物、そして(B)(i)酸性有機化合物の少なくとも1種のボレート化過塩基化金属塩、(ii)(a)少なくとも1種の有機ポリスルフィドもしくは少なくとも1種の無灰分ジチオカルバメート含有組成物と、(b)金属チオホスフェート、ホスフェート、カルボキシレートのP含有化合物、エステルのP含有化合物、エーテルのP含有化合物もしくはアミドのP含有化合物、ボレート化分散剤、アルカリ金属ボレート、ボレート化脂肪アミン、ボレート化リン脂質、およびそれらの混合物のうちの少なくとも1種との組み合わせ、ならびに(iii)(i)と(ii)との組み合わせから選択される特定の組成物を開示する。上記潤滑組成物は、トランスミッションおよび差動歯車を潤滑するために使用される。] [0007] 国際出願WO 96/037585は、(A)耐摩耗を改善する量の少なくとも1種のモリブデン含有組成物、および(B)(i)酸性有機化合物の少なくとも1種のボレート化過塩基化金属塩(ただし(A)および(Bi)は、同じではない)、(ii)(a)少なくとも1種の有機ポリスルフィドもしくは少なくとも1種の無灰分ジチオカルバメート含有組成物と、(b)金属チオホスフェート、リン酸エステルもしくはその塩、リン含有カルボン酸、リン含有エステル、リン含有エーテルもしくはリン含有アミド、ボレート化分散剤、アルカリ金属ボレート、ボレート化脂肪アミン、ボレート化リン脂質、ホウ酸エステル、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の成分、との組み合わせ、ならびに(iii)(i)と(ii)との組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのメンバーを含む潤滑組成物を開示している。上記潤滑剤は、80Wギアオイルおよび80W−90ギアオイルを含む。] [0008] 特許文献1は、炭化水素油ならびに成分(A)50個より多い炭素原子を有する脂肪族炭化水素によって置換されたコハク酸と、0.5当量より多いアルキレンアミン(エチレンアミン(I)、ポリエチレンポリアミン)と0.1当量より多いホウ素の酸、それらのエステル、もしくはアンモニウム塩、またはB2O3との反応によって得られる生成物、ならびに成分(B)脂質ホスファチド(例えば、レシチン)の組成物を含む潤滑剤のための添加剤を開示する。上記潤滑剤は、内燃機関、ギアアセンブリおよび動力伝達ユニット(power transmitting units)に有用であり得る。上記例は、内燃機関における使用を開示する。] [0009] 特許文献2は、オートマチックトランスミッション流体において使用される摩擦調節物質として適切な、水素化されたリン脂質化合物を開示する。] 先行技術 [0010] 米国特許第3,284,409号明細書 米国特許第5,135,669号明細書] 課題を解決するための手段 [0011] (発明の要旨) 本発明の発明者らは、本明細書で開示される潤滑組成物および方法が、(i)潤滑熱安定性、(ii)潤滑酸化安定性、(iii)高い静止摩擦係数、(iv)燃料経済性、(v)沈着物制御、(vi)シール適合性、ならびに(vii)しばしば、機械のガタガタする音(chatter)(すなわち、特に、高速コーナリング運動の間の異常騒音(代表的には、低周波数「うなり音(growl)」および「ぎしぎしいう音(groan)」といわれる))として現れる、騒音、振動および不快音(NVH)に対する低い傾向のうちの少なくとも1つの受容可能なレベルを提供し得ることを発見した。本発明者らはまた、予測外にも、本明細書で開示される潤滑組成物および方法がまた、1種異常の別個のプレート物質を有する空転制御システム(limited slip system)に適切であり得ることを発見した。例えば、上記プレート物質は、鋼、紙、セラミック、炭素線維、およびプレートタイプの混合物(例えば、セラミック上の鋼、紙中の炭素繊維もしくは紙上の鋼)を使用するシステムであり得る。] [0012] 一実施形態において、本発明は、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物を提供する。] [0013] 一実施形態において、本発明は、差動制限装置を潤滑するための方法を提供し、上記方法は、差動制限装置に、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物を供給する工程を包含する。] [0014] 一実施形態において、本発明は、(i)潤滑熱安定性、(ii)潤滑酸化安定性、(iii)摩擦係数、(iv)燃料経済性、(v)沈着物制御、(vi)シール適合性、および(vii)機械のガタガタ音(異常騒音)のうちの少なくとも1つの受容可能なレベルを提供するための、差動制限装置における、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物の使用を提供する。] [0015] (発明の詳細な説明) 本発明は、上記で開示される潤滑組成物および方法を提供する。] [0016] (ボレート化リン脂質) 上記リン脂質は、リン酸(例えば、レシチンもしくはケファリン)、またはその誘導体を含む任意の脂質であり得る。リン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸およびこれらの混合物が挙げられる。上記リン脂質は、グリセロリン脂質、リン脂質の上記リストのグリセロ誘導体であり得る。代表的には、上記グリセロリン脂質は、1個もしくは2個のアシル、アルキルもしくはアルケニル基を、グリセロ残基上に有する。上記アルキルもしくはアルケニル基は、8〜30個、もしくは8〜25個、もしくは12〜24個の炭素原子を含み得る。適切なアルキルもしくはアルケニル基の例としては、オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコサニル、オクテニル、ドデセニル、ヘキサデセニルおよびオクタデセニルが挙げられる。一実施形態において、上記リン脂質は、レシチン、もしくはその誘導体である。] [0017] 上記グリセロリン脂質上のアシル基は、脂肪酸に由来し得る。上記脂肪酸は、8〜30個、もしくは12〜24個、もしくは12〜18個の炭素原子を含み得る。脂肪酸の例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、もしくはこれらの混合物が挙げられる。] [0018] 一実施形態において、上記脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、もしくはこれらの混合物であり得る。] [0019] リン脂質の誘導体は、アシル化もしくはヒドロキシル化されたリン脂質であり得る。例えば、レシチンならびにアシル化およびヒドロキシル化されたレシチンは、本発明において使用され得る。アシル化レシチンは、アシル化剤とレシチンとを反応させることによって調製され得る。アシル化剤としては、酢酸が挙げられる。市販のアシル化レシチンの例は、Thermolec 200TM アシル化ダイズレシチン(Decatur,IllのRoss & Rowe,Inc.から入手可能)である。ヒドロキシル化レシチンもまた、使用され得る。ヒドロキシル化レシチンは、酸性加水分解もしくは酵素的加水分解によって調製され得る。ヒドロキシル化レシチンの例は、Thermolec 1018TM ヒドロキシル化レシチン(Ross & Rowe,Inc.から市販されている)である。] [0020] リン脂質は、合成によって調製される得か、または天然供給源に由来し得る。合成リン脂質は、当業者に公知の方法によって調製され得る。天然に由来するリン脂質は、しばしば、当業者に公知の手順によって抽出される。リン脂質は、動物供給源もしくは植物供給源に由来し得る。上記動物供給源としては、魚類、魚油、甲殻類、ウシの脳もしくは任意の卵、または鶏卵が挙げられる。植物供給源としては、菜種、ひまわり種子、落花生、パーム核、ウリ科植物の種子(cucurbit seed)、小麦、大麦、米、オリーブ、マンゴー、アボカド、ハナモツヤクノキ(palash)、パパイヤ、ジャングリ(jangli)、ボダニ(bodani)、ニンジン、ダイズ、トウモロコシ、および綿実、ならびに一般には、ダイズ、トウモロコシ、ヒマワリおよび綿実が挙げられる。リン脂質は、微生物(藍藻類(blue−green algae)、緑藻類(green algae)、メタノールもしくはメタン上で増殖される細菌、およびアルカン上で増殖される酵母が挙げられる)に由来し得る。] [0021] 有用なリン脂質は、ヒマワリ種子に由来する。上記リン脂質は、代表的には、35%〜60%ホスファチジルコリン、20%〜35%ホスファチジルイノシトール、1%〜25%ホスファチジン酸、および10%〜25%ホスファチジルエタノールアミンを含み、ここで上記パーセンテージは、総リン脂質に基づいて重量単位である。上記脂肪酸含有量は、20重量%〜30重量%パルミチン酸、2重量%〜10重量%ステアリン酸、15重量%〜25重量%オレイン酸、および40重量%〜55重量%リノール酸であり得る。] [0022] 一実施形態において、上記リン脂質は、高オレイン酸含有量のヒマワリ種子に由来する。これら種子は、代表的には、75重量%より多くの、もしくは80重量%以上、もしくは85重量%以上のオレイン酸含有量を有するリン脂質を生産する。高オレイン酸含有量のヒマワリ種子に由来するリン脂質の上記脂肪酸含有量は、一般に、3.5重量%〜4.5重量%パルミチン酸、3重量%〜5.5重量%ステアリン酸、75重量%〜95重量%オレイン酸、および5重量%〜15重量%リノール酸を含む。] [0023] リン脂質およびレシチンは、Encyclopedia of Chemcial Technology,Kirk and Othmer,第3版において、「Fats and Fatty Oils」,第9巻,795−831頁において、および「Lecithins」,第14巻,250−269頁において詳細に記載されている。] [0024] 上記リン脂質のホウ素化は、ホウ素化合物との反応によって行われ得る。上記ホウ素化合物としては、酸化ホウ素(boron oxide)、酸化ホウ素(boron oxide)水和物、三酸化ホウ素(boron trioxide)、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、ホウ素の酸(boron acid)(例えば、ホウ素酸(boronic acid)(すなわち、アルキル−B(OH)2もしくはアリール−B(OH)2)、ホウ酸(すなわち、H3BO3)、テトラホウ酸(すなわち、H2B4O7)、メタホウ酸(すなわち、HBO2)、ホウ素無水物、ホウ素アミドおよびこのようなホウ素の酸の種々のエステルが挙げられる。ホウ素トリハライドとエーテル、有機酸、無機酸、もしくは炭化水素との複合体の使用はまた、ホウ素反応物を、反応混合物に導入する従来からの手段として利用され得る。このような複合体は公知であり、ホウ素−トリフルオリド−トリエチルオルトエステル、ホウ素トリフルオリド−リン酸、ホウ素トリクロリド−クロロ酢酸、ホウ素トリブロミド−ジオキサン、およびホウ素トリフルオリドメチルエチルエーテル複合体によって例示される。] [0025] ホウ素酸の例としては、メチルホウ素酸、フェニル−ホウ素酸、シクロヘキシルホウ素酸、p−ヘプチルフェニルホウ素酸およびドデシルホウ素酸、もしくはこれらの混合物が挙げられる。] [0026] ボレート化リン脂質の調製のためのより詳細な説明および方法は、米国特許第5,487,838号において記載されている。米国特許第5,487,838号の第20欄第64行目〜第22欄第51行目に開示される実施例1〜7は、ボレート化リン脂質の調製を例示する。] [0027] (リン酸エステルのアミン塩) 上記リン酸エステルのアミン塩は、各々が1〜30個、6〜30個、8〜30個、10〜24個もしくは12〜20個、もしくは16〜20個の炭素原子を有するエステル基を含み得るが、ただし、エステル基の一部もしくは全ては、潤滑粘性の油中に上記リン酸エステルのアミン塩を可溶化するに十分長い。代表的には、4個以上の炭素原子を含むエステル基は、特に有用である。] [0028] 適切なエステル基の例としては、イソプロピル、メチル−アミル(4−メチル−2−ペンチルともいわれ得る)、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ブタデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、もしくはこれらの混合であり得る。] [0029] 一実施形態において、上記エステル基は、イソプロピル、メチル−アミル(4−メチル−2−ペンチルともいわれ得る)、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびこれらの混合からなる群より選択される。] [0030] 上記アミン塩として使用するのに適切であり得るアミンとしては、一級アミン、2級アミン、三級アミン、およびこれらの混合物が挙げられる。上記アミンとしては、少なくとも1個のヒドロカルビル基、もしくは特定の実施形態において、2個もしくは3個のヒドロカルビル基を有するものが挙げられる。上記ヒドロカルビル基は、2〜30個の炭素原子、または他の実施形態において、8〜26個、もしくは10〜20個、もしくは13〜19個の炭素原子を含み得る。] [0031] 一級アミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、およびドデシルアミン、ならびに直鎖状アミン(例えば、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびオレイルアミン)が挙げられる。他の有用な脂肪アミンとしては、市販の脂肪アミン(例えば、「Armeen(登録商標)」アミン(Akzo Chemicals,Chicago,Illinoisから市販されている製品)(例えば、Armeen C、Armeen O、Armeen OL、Armeen T、ArmeenHT、Armeen SおよびArmeen SD(ここで文字による名称は、脂肪基(例えば、ココ、オレイル、タロウ、もしくはステアリル基に関する)))が挙げられる。] [0032] 適切な二級アミンの例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、メチルエチルアミン、エチルブチルアミン、およびエチルアミルアミンが挙げられる。上記二級アミンは、環式アミン(例えば、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリン)であり得る。] [0033] 上記アミンはまた、三級脂肪族一級アミンであり得る。この場合の上記脂肪族基は、2〜30個、もしくは6〜26個、もしくは8〜24個の炭素原子を含むアルキル基であり得る。三級アルキルアミンとしては、モノアミン(例えば、tert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、1−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、tert−オクチルアミン、tert−デシルアミン、tert−ドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミン、およびtert−オクタコサニルアミンが挙げられる。] [0034] リン酸エステル(phosphorus acid ester)の上記アミン塩は、C12−20アルキル化リン酸と、三級C11−22アルキル一級アミンとの反応生成物であり得る。] [0035] 一実施形態において、リン酸エステルの上記アミン塩としては、C11〜C14三級アルキル一級基を有するアミンもしくはこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、リン化合物の上記アミン塩としては、C14〜C18三級アルキル一級アミンを有するアミンもしくはこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、リン化合物の上記アミン塩としては、C18〜C22三級アルキル一級アミンを有するアミンもしくはこれらの混合物が挙げられる。] [0036] 一実施形態において、リン酸エステルの上記アミン塩としては、オクタデセニルリン酸と、Primene 81RTMとの反応生成物が挙げられる。] [0037] アミンの混合物がまた、本発明において使用され得る。一実施形態において、アミンの有用な混合物は、「PrimeneTM 81R」および「PrimeneTM JMT」である。PrimeneTM 81RおよびPrimeneTM JMT(ともに、Rohm & Haasが製造および販売)は、それぞれ、C11〜C14三級アルキル一級アミンの混合物およびC18〜C22三級アルキル一級アミンの混合物である。] [0038] 一実施形態において、リン酸エステルの上記アミン塩は、C14〜C18アルキル化リン酸と、C11〜C14三級アルキル一級アミンの混合物であるPrimene 81RTM(Rohm & Haasが製造および販売)との反応生成物である。] [0039] リン酸エステルの上記アミン塩の例としては、イソプロピルジチオリン酸、メチル−アミルジチオリン酸(4−メチル−2−ペンチルジチオリン酸もしくはこれらの混合物)、2−エチルヘキシルジチオリン酸、ヘプチルジチオリン酸、オクチルジチオリン酸、ノニルジチオリン酸もしくはデシルジチオリン酸と、エチレンジアミン、モルホリン、もしくはPrimene 81RTMとの反応生成物、およびこれらの混合物が挙げられる。] [0040] リン酸エステルの上記アミン塩の例としては、ブタデシルジチオリン酸、ペンタデシルジチオリン酸、ヘキサデシルジチオリン酸、ヘプタデシルジチオリン酸、オクタデシルジチオリン酸、ノナデシルジチオリン酸もしくはエイコシルジチオリン酸と、エチレンジアミン、モルホリン、もしくはPrimene 81RTMとの反応生成物、およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、リン酸エステルの上記アミン塩としては、オクタデセニルジチオリン酸と、Primene 81RTMとの反応生成物が挙げられる。] [0041] (リン酸エステルのアミン塩およびボレート化リン脂質の重量範囲) 上記ボレート化リン脂質は、上記潤滑組成物のうちの0.05重量%〜6重量%、もしくは0.5重量%〜3重量%において存在し得る。] [0042] リン酸エステルの上記アミン塩は、上記潤滑組成物のうちの0.01重量%〜5重量%、もしくは0.01重量%〜2重量%、もしくは0.25重量%〜1重量%において存在し得る。] [0043] 一実施形態において、上記リン酸エステルのアミン塩は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの10重量%〜50重量%において存在し;上記ボレート化リン脂質は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの50重量%〜90重量%において存在する。] [0044] 一実施形態において、上記リン酸エステルのアミン塩は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの25重量%〜40重量%において存在し;上記ボレート化リン脂質は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの60重量%〜75重量%において存在する。] [0045] (潤滑粘性の油) 上記潤滑組成物は、潤滑粘性の油を含む。このような油としては、天然油および合成油、水素化分解、水素化、および水素仕上げ(hydrofinishing)に由来する油、未精製の、精製した、および再精製した油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。] [0046] 未精製油は、一般にはさらなる精製処理をせずに(もしくはほとんどせずに)、天然供給源もしくは合成供給源から直接得られるものである。] [0047] 精製油は、1つ以上の精製工程においてさらに処理されて、1つ以上の特性を改善したことを除いて、上記未精製油と類似である。精製技術は、当該分野で公知であり、溶媒抽出、二次蒸留、酸抽出もしくは塩基抽出、濾過、パーコレーションなどが挙げられる。] [0048] 再精製油はまた、改善された油もしくは再処理油として公知であり、精製油を得るためのものと類似のプロセスによって得られ、しばしば、消費された添加剤および油分解生成物の除去に関連する技術によって、さらに処理される。] [0049] 本発明の潤滑剤を作製するにおいて有用な天然油としては、動物性油、植物性油(例えば、ひまし油、ラード油)、ミネラル潤滑油(例えば、流動パラフィン油(liquid petroleum oil)および溶媒処理もしくは酸処理したパラフィンタイプ、ナフテンタイプ、もしくはパラフィン−ナフテン混合タイプのミネラル潤滑油)ならびに石炭もしくは頁岩由来の油、またはこれらの混合物が挙げられる。] [0050] 合成潤滑油は有用であり、これらとしては、炭化水素油(例えば、ポリマー化およびインターポリマー化オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレンコポリマー);ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)、およびこれらの混合物));アルキル−ベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ−(2−エチルヘキシル)−ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、ターフェニル、アルキル化ポリフェニル);アルキル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルスルフィド、ならびにこれらの誘導体、アナログおよびホモログまたはこれらの混合物が挙げられる。] [0051] 他の合成潤滑油としては、ポリオールエステル(例えば、Prolube(登録商標)3970)、ジエステル、リン含有酸の液体エステル(例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル)、ならびにデカンホスホン酸のジエチルエーテル))、もしくはポリマーテトラヒドロフランが挙げられる。合成油は、Fischer−Tropsch反応によって生成され得、代表的には、水素異性化(hydroisomerised)Fischer−Tropsch炭化水素もしくはワックスであり得る。一実施形態において、油は、Fischer−TropschのGTL(gas−to−liquid)合成手順、ならびに他のGTLオイルによって調製され得る。] [0052] 潤滑粘性の油はまた、American Petroleum Institute(API) Base Oil Interchangeability Guidelinesにおいて特定されるように定義され得る。5つの基油群は、以下のとおりである:グループI(硫黄含有量>0.03重量%、および/もしくは<90重量%飽和物、粘性指数80〜120);グループII(硫黄含有量≦0.03重量%、および≧90重量% 飽和物、粘性指数80〜120);グループIII(硫黄含有量≦0.03重量%、および≧90重量% 飽和物、粘性指数≧120);グループIV(ポリαオレフィン(PAO)全て);ならびにグループV(グループIにも、IIにも、IIIにも、IVにも含まれない他のもの全て)。上記潤滑粘性の油は、API グループI、グループII、グループIII、グループIV、グループVの油もしくはこれらの混合物を含む。しばしば、上記潤滑粘性の油は、API グループI、グループII、グループIII、グループIVの油もしくはこれらの混合物である。あるいは、上記潤滑粘性の油は、しばしば、API グループII、グループIIIもしくはグループIVの油もしくはこれらの混合物である。] [0053] 存在する上記潤滑粘性の油の量は、代表的には、100重量%から、上記ボレート化リン脂質、上記リン酸エステルのアミン塩、および他の性能添加剤の量の合計を差し引いた後に残っている差である。] [0054] 上記潤滑組成物は、濃縮物および/もしくは完全に調合された潤滑剤の形態で存在し得る。本明細書で開示される潤滑組成物が、濃縮物(これは、さらなる油と合わされて、全体的にもしくは部分的に最終の潤滑剤を形成し得る)の形態で存在する場合、上記潤滑組成物の成分 対 上記潤滑粘性の油および/もしくは 対希釈油の比は、重量単位で1:99〜99:1、もしくは重量単位で80:20〜10:90の範囲を含む。濃縮物の形態において存在する場合、本発明は、完全な潤滑組成物の一部であってもよいし、補足的添加パッケージもしくは「トップ処理(top treat)」であり得る。] [0055] (他の性能添加剤) 本発明の組成物は、必要に応じて、少なくとも1種の他の性能添加剤をさらに含む。上記他の性能添加剤としては、分散剤、金属不活性化剤、界面活性剤、粘度調節剤、極圧剤(代表的には、ホウ素含有および/もしくは硫黄含有および/もしくはリン含有)、耐摩耗剤、抗酸化剤(例えば、ヒンダードフェノール、アミン系抗酸化剤(aminic antioxidant)もしくはモリブデン化合物)、腐食抑制剤、発泡抑制剤(foam inhibitor)、解乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤およびこれらの混合物が挙げられる。] [0056] 油非含有ベースに存在する上記他の性能添加剤(上記粘度調節剤を除く)の合計組み合わせ量は、上記組成物のうちの0重量%〜25重量%、もしくは0.01重量%〜20重量%、もしくは0.1重量%〜15重量%、もしくは0.5重量%〜10重量%、もしくは1〜5重量%の範囲を含み得る。上記他の性能添加剤のうちの1種以上が存在し得るが、上記他の性能添加剤が、互いに関して異なる量で存在することは、通常である。] [0057] 一実施形態において、上記潤滑組成物は、モリブデン含有添加剤を含まない。] [0058] (粘度調節剤) 一実施形態において、上記潤滑組成物は、1種以上の粘度調節剤をさらに含む。] [0059] 存在する場合、上記粘度調節剤は、上記潤滑組成物のうちの0.5重量%〜70重量%、もしくは1重量%〜60重量%、もしくは5重量%〜50重量%、もしくは10重量%〜50重量%の量において存在し得る。] [0060] 粘度調節剤は、(a)ポリメタクリレート、(b)(i)ビニル芳香族モノマーと、(ii)不飽和カルボン酸、無水物、もしくはその誘導体とのエステル化コポリマー、(c)(i)α−オレフィンと;(ii)不飽和カルボン酸、無水物、もしくはその誘導体とのエステル化インターポリマー、または(d)スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー、(e)エチレン−プロピレンコポリマー、(f)ポリイソブテン、(g)水素化スチレン−イソプレンポリマー、(h)水素化イソプレンポリマー、あるいは(i)これらの混合物を含む。] [0061] 一実施形態において、上記粘度調節剤は、(a)ポリメタクリレート、(b)(i)ビニル芳香族モノマー;と(ii)不飽和カルボン酸、無水物、もしくはその誘導体とのエステル化コポリマー、(c)(i)α−オレフィン;と(ii)不飽和カルボン酸、無水物、もしくはその誘導体とのエステル化インターポリマー、または(d)これらの混合物を含む。] [0062] (極圧剤) 極圧剤は、ホウ素および/もしくは硫黄および/もしくはリンを含む化合物を含む。] [0063] 上記極圧剤は、上記潤滑組成物のうちの0重量%〜20重量%、もしくは0.05重量%〜10重量%、もしくは0.1重量%〜8重量%において、上記潤滑組成物中に存在し得る。] [0064] 一実施形態において、上記極圧剤は、硫黄含有化合物である。一実施形態において、上記硫黄含有化合物は、硫化オレフィン、ポリスルフィド、もしくはこれらの混合物である。] [0065] 上記硫化オレフィンの例としては、プロピレン、イソブチレン、ペンテン、有機スルフィドおよび/もしくはポリスルフィド(ベンジルジスルフィド;ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド;ジブチルテトラスルフィド;ジ−三級ブチルポリスルフィド;およびオレイン酸の硫化メチルエステルが挙げられる)、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、硫化Diels−Alder付加物、アルキルスルフェニルN’N−ジアルキルジチオカルバメート;またはこれらの混合物に由来するオレフィンが挙げられる。一実施形態において、上記硫化オレフィンは、プロピレン、イソブチレン、ペンテンもしくはこれらの混合物に由来するオレフィンを含む。] [0066] 一実施形態において、上記極圧剤である硫黄含有化合物は、ジメルカプトチアジアゾールまたはその誘導体もしくは混合物を含む。ジメルカプトチアジアゾールの例としては、2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾールもしくはヒドロカルビル置換された2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾール、もしくはこれらのオリゴマーが挙げられる。上記ヒドロカルビル置換された2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾールのオリゴマーは、代表的には、2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾールユニット間に硫黄−硫黄結合を形成して、上記チアジアゾールユニットのうちの2個以上の誘導体もしくはオリゴマーを形成することによって形成する。適切な2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾール由来化合物としては、2,5−ビス(tert−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールもしくは2−tert−ノニルジチオ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。] [0067] 上記ヒドロカルビル置換された2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾールの上記ヒドロカルビル置換基上の炭素原子数としては、代表的には、1〜30個、もしくは2〜20個、もしくは3〜16個が挙げられる。] [0068] 一実施形態において、上記極圧剤は、ホウ素含有化合物を含む。上記ホウ素含有化合物としては、ホウ酸エステル、ホウ酸アルコール(borate alcohol)、ボレート化分散剤もしくはこれらの混合物が挙げられる。] [0069] 一実施形態において、上記ホウ素含有化合物は、ホウ酸エステルもしくはホウ酸アルコールである。上記ホウ酸エステルもしくはホウ酸アルコール化合物は、上記ホウ酸アルコールが少なくとも1個のエステル化されないヒドロキシル基を有することを除いて、実質的に同じである。従って、本明細書で使用される場合、用語「ホウ酸エステル」とは、ホウ酸エステルもしくはホウ酸アルコールのいずれかに言及するために使用される。] [0070] 上記ホウ酸エステルは、ホウ素化合物と、エポキシ化合物、ハロヒドリン化合物、エピハロヒドリン化合物、アルコールおよびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物との反応によって、調製され得る。上記アルコールとしては、二価アルコール、三価アルコール、もしくは高級アルコールが挙げられるが、ただし、一実施形態に関しては、上記ヒドロキシル基は、隣接する炭素原子上に存在する(すなわち、ビシナルである)。本明細書中以降「エポキシ化合物」とは、「エポキシ化合物、ハロヒドリン化合物、エピハロヒドリン化合物およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物」に言及する場合に使用される。] [0071] 上記ホウ酸エステルを調製するために適したホウ素化合物としては、ホウ酸(メタホウ酸、HBO2、オルトホウ酸、H3BO3、およびテトラホウ酸、H2B4O7が挙げられる)、酸化ホウ素、三酸化ホウ素(boron trioxide)およびホウ酸アルキルからなる群より選択される種々の形態が挙げられる。上記ホウ酸エステルはまた、ホウ素ハライドから調製され得る。] [0072] 一実施形態において、適切なホウ酸エステル化合物としては、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリノニル、およびホウ酸トリデシルが挙げられる。] [0073] 一実施形態において、上記ホウ酸エステル化合物としては、ホウ酸トリブチル、トリ−2−エチルヘキシルボレートもしくはこれらの混合物が挙げられる。] [0074] 一実施形態において、上記ホウ素含有化合物は、代表的には、N−置換された長鎖アルケニルスクシンイミドから得られるボレート化分散剤である。一実施形態において、上記ボレート化分散剤としては、ポリイソブチレンスクシンイミドが挙げられる。ボレート化分散剤は、米国特許第3,087,936号;および同第3,254,025号により詳細に記載されている。] [0075] 一実施形態において、上記ボレート化分散剤は、硫黄含有化合物もしくはボレート化エステルとの組み合わせにおいて使用される。] [0076] 一実施形態において、上記極圧剤は、ボレート化分散剤以外のものである。] [0077] 上記長鎖アルケニル基が由来した炭化水素の数平均分子量は、350〜5000、もしくは500〜3000、もしくは550〜1500の範囲を包含する。上記長鎖アルケニル基は、550、もしくは750、もしくは950〜1000の数平均分子量を有し得る。] [0078] 上記N−置換された長鎖アルケニルスクシンイミドは、上記式(I)〜(VI)において記載されるホウ酸(例えば、メタホウ酸、HBO2、オルトホウ酸、H3BO3、およびテトラホウ酸、H2B4O7)、酸化ホウ素(boric oxide)、三酸化ホウ素(boron trioxide)、およびホウ酸アルキルを含む種々の薬剤を使用して、ボレート化される。一実施形態において、上記ボレート化薬剤は、ホウ酸であり、これは、単独で、または他のボレート化薬剤との組み合わせにおいて使用され得る。] [0079] 上記ボレート化分散剤は、上記ホウ素化合物および上記N−置換された長鎖アルケニルスクシンイミドをブレンドし、これらを、適切な温度において(例えば、80℃〜250℃、もしくは90℃〜230℃、もしくは100℃〜210℃)で所望の反応が起こるまで加熱することによって調製され得る。上記ホウ素化合物 対 上記N−置換された長鎖アルケニルスクシンイミドのモル比は、10:1〜1:4、もしくは4:1〜1:3、もしくは1:2を含む範囲を有し得る。不活性液体が、上記反応を行うことにおいて使用され得る。上記液体としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミドもしくはこれらの混合物が挙げられ得る。] [0080] 摩擦調節剤((a)ボレート化リン脂質、および(b)リン酸エステルのアミン塩以外)としては、脂肪アミン(例えば、エステル(例えば、ボレート化グリセロールエステル))、脂肪ホスファイト、脂肪酸アミド、脂肪エポキシド、ボレート化脂肪エポキシド、アルコキシル化脂肪アミン、ボレート化アルコキシル化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、もしくは脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。] [0081] 一実施形態において、上記潤滑組成物は、上記のリン酸エステルのアミン塩の極圧剤として記載される化合物以外の、リン含有耐摩耗剤もしくは硫黄含有耐摩耗剤を含み得る。上記耐摩耗剤の例としては、非イオン性リン化合物(代表的には、+3もしくは+5の酸価状態のリン原子を有する化合物)、金属ジアルキルジチオホスフェート(代表的には、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート)、金属モノアルキルホスフェートもしくは金属ジアルキルホスフェート(代表的には、リン酸亜鉛)、またはこれらの混合物が挙げられ得る。] [0082] 上記非イオン性リン化合物としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル、もしくはこれらの混合物が挙げられる。上記非イオン性リン化合物のより詳細な説明は、米国特許第6,103,673号の第9欄第48行目〜第11欄第8行目を含む。] [0083] 一実施形態において、上記で開示されるもの以外のリン化合物の上記アミン塩は、米国特許第3,197,405号に記載されている。一実施形態において、上記で開示されるもの以外のリン化合物の上記アミン塩は、米国特許第3,197,405号の実施例1〜25のいずれか1つによって調製され得る。] [0084] 一実施形態において、上記で開示されるもの以外のリン化合物の上記アミン塩は、ジチオリン酸から調製される反応生成物であり、これは、エポキシドもしくはグリコールと反応する。この反応生成物は、リンの酸、無水物、もしくは低級エステル(ここで「低級」とは、上記エステルのアルコール由来部分において1〜8個、もしくは1〜6個、もしくは1〜4個、もしくは1〜2個の炭素原子を表す)とさらに反応させられる。上記エポキシドは、脂肪族エポキシドもしくはスチレンオキシドを含む。有用なエポキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド、オクテンオキシド、ドデセンオキシド、スチレンオキシドなどが挙げられる。一実施形態において、上記エポキシドは、プロピレンオキシドである。上記グリコールは、1〜12個、2〜6個、もしくは2〜3個の炭素原子を有する脂肪族グリコールを含む。上記ジチオリン酸、グリコール、エポキシド、無機リン試薬およびこれを反応させるための方法は、米国特許第3,197,405号および同第3,544,465号に記載されている。次いで、得られた酸は、アミンで塩形成される。] [0085] 適切なジチオリン酸ベースの生成物の例は、五酸化リン(約64g)を58℃において45分間の期間にわたって、514gのヒドロキシプロピルO,O−ジ(1,3−ジメチルブチル)ホスホロジチオエート(ジ(1,3−ジメチルブチル)−ホスホロジチオ酸と1.3モルのプロピレンオキシドとを25℃において反応させることによって調製される)に添加することによって、調製される。上記混合物を、75℃において2.5時間にわたって加熱し、珪藻土と混合し、70℃において濾過する。上記濾液は、11.8重量%リン、15.2重量%硫黄、および酸価87(ブロモフェノール・ブルー)を含む。] [0086] 一実施形態において、本発明の潤滑組成物は、分散剤をさらに含む。上記分散剤は、スクシンイミド分散剤(例えば、N−置換された長鎖アルケニルスクシンイミド)、Mannich分散剤、エステル含有分散剤、脂肪ヒドロカルビルモノカルボン酸アシル化剤と、アミンもしくはアンモニアとの縮合生成物、アルキルアミノフェノール分散剤、ヒドロカルビル−アミン分散剤、ポリエーテル分散剤もしくはポリエーテルアミン分散剤であり得る。] [0087] 一実施形態において、上記スクシンイミド分散剤は、ポリイソブチレン−置換されたスクシンイミドを含み、ここで上記ポリイソブチレン−置換基は、400〜5000の数平均分子量を有する。] [0088] スクシンイミド分散剤およびこれらの調製法は、米国特許第4,234,435号および同第3,172,892号により詳細に記載されている。] [0089] 適切なエステル含有分散剤は、代表的には、高分子量エステルである。これら物質は、米国特許第3,381,022号においてより詳細に記載されている。] [0090] 一実施形態において、上記分散剤は、ボレート化分散剤を含む。代表的には、上記ボレート化分散剤は、ポリイソブチレンスクシンイミドを含む、スクシンイミド分散剤を含む。ここで上記ポリイソブチレンは、400〜5000の数平均分子量を有する。ボレート化分散剤は、上記極圧剤の説明の中で上記でより詳細に記載されている。] [0091] 分散粘度調節剤(しばしば、DVMといわれる)は、官能化ポリオレフィン(例えば、マレイン酸無水物とアミンとの反応生成物で官能化されたエチレン−プロピレンコポリマー、アミンで官能化されたポリメタクリレート、またはアミンと反応させられたスチレン−マレイン酸無水物コポリマーを含み、これらはまた、本発明の組成物において使用され得る。] [0092] 腐食抑制剤としては、オクチルアミンオクタノエート、ドデセニルコハク酸もしくは無水物および/もしくは脂肪酸(例えば、オレイン酸)と、ポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。] [0093] 金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールの誘導体(代表的には、トリルトリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾールもしくは2−アルキルジチオベンゾチアゾール)が挙げられる。上記金属不活性化剤または、腐食抑制剤としても記載され得る。] [0094] 発泡抑制剤としては、アクリル酸エチルおよび2−エチルヘキシルアクリレートおよび必要に応じてビニルアセテートのコポリマーが挙げられる。] [0095] 解乳化剤としては、トリアルキルホスフェート、ならびにエチレングリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、もしくはこれらの混合物の種々のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。] [0096] 流動点降下剤としては、マレイン酸無水物−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートもしくはポリアクリルアミドが挙げられる。] [0097] シール膨潤剤としては、Exxon Necton−37TM(FN1380)およびExxon Mineral Seal OilTM(FN 3200)が挙げられる。] [0098] (産業的適用) 上記差動制限装置は、代表的には、差動ハウジング(differential housing)もしくはキャリア中に沈着した潤滑剤から分離された自給式潤滑剤供給と一体化する。上記差動制限装置の自給式潤滑剤は、一般に、マニュアルトランスミッションもしくはオートマチックトランスミッション流体に供給される潤滑剤とは異なる。差動制限装置を含まないマニュアルトランスミッションシステムおよびオートマチックトランスミッションシステムの両方において、潤滑剤は、上記トランスミッション構成要素の全てを潤滑するのに十分である。] [0099] 上記差動制限装置に適した潤滑組成物は、0.3重量%〜5重量%、もしくは0.5重量%〜5重量%、もしくは0.5重量%〜3重量%、もしくは0.8重量%〜2.5重量%、もしくは1重量%〜2重量%の範囲中の硫黄含有量を有し得る。] [0100] 一実施形態において、上記差動制限装置に適した潤滑組成物は、完全に調合された流体である。] [0101] 一実施形態において、上記差動制限装置に適した潤滑組成物は、トップ処理濃縮物である。] [0102] 上記潤滑組成物が、トップ処理濃縮物の形態において存在する場合、上記濃縮物は、差動制限装置中の潤滑剤の量に対して、0.2重量%〜10重量%、もしくは0.5重量%〜7重量%において添加され得る。] [0103] 一実施形態において、上記潤滑組成物は、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、(c)潤滑粘性の油、および必要に応じて、粘度調節剤からなるか、またはこれらから本質的になる。代表的には、このタイプの潤滑組成物は、トップ処理濃縮物であるに過ぎない。] [0104] 以下の実施例は、本発明の例示を提供する。これら実施例は、網羅的ではなく、本発明の範囲を限定するとは意図されない。] [0105] 比較実施例1(CE1):差動制限装置に適した市販の75W−90ギアオイルであり、これは、0重量%のボレート化レシチン(もしくは他のボレート化リン脂質)、および0重量%の、C18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81R(もしくは他のリン酸エステルのアミン塩)との反応生成物に由来するリン酸エステルのアミン塩を含む。] [0106] 比較実施例2(CE2):上記ギアオイルが、2.5重量%のボレート化レシチンでトップ処理されていることを除いて、CE1と同様である。] [0107] 比較実施例3(CE3):上記ギアオイルが、C18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81Rとの反応生成物に由来する、2.25重量%のリン酸エステルのアミン塩でトップ処理されていることを除いて、CE1と同様である。] [0108] 比較実施例4(CE4):上記ギアオイルが、3.38重量%のリン含有耐摩耗剤でトップ処理されていることを除いて、CE1と同様である。上記耐摩耗剤は、(i)C18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81Rとの反応生成物に由来する、2.25重量%のリン酸エステルのアミン塩、および(ii)1.13重量%のC16−18アルキルホスファイトを含む。] [0109] 実施例1(EX1):CE1に類似の市販のギアオイル(差動制限装置に適している)を、(i)1.75重量%のボレート化レシチン、および(ii)C18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81Rとの反応生成物に由来する0.5重量%のリン酸エステルのアミン塩を含む流体でトップ処理する。] [0110] 比較実施例5(CE5):CE1に対して異なる添加剤パッケージを含む市販のギアオイルである。上記ギアオイルは、0重量%のボレート化レシチン(もしくは他のボレート化リン脂質)、およびC18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81Rとの反応生成物に由来する、0重量%のリン酸エステルのアミン塩(もしくは他のリン酸エステルのアミン塩)を含み、差動制限装置に適している。] [0111] 比較実施例6(CE6):上記ギアオイルを、(i)C18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81Rとの反応生成物に由来する、2.25重量%のリン酸エステルのアミン塩、および(ii)1.13重量%のC16−18アルキルホスファイトを含む流体でトップ処理することを除いて、CE5に類似である。] [0112] 実施例6(EX6):上記ギアオイルを、(i)1.75重量%のボレート化レシチン、および(ii)C18アルキル化リン酸とPrimene(登録商標) 81Rとの反応生成物に由来する、0.5重量%のリン酸エステルのアミン塩を含む流体でトップ処理することを除いて、CE5に類似である。] [0113] 各実施例の酸化安定性を、CEC−L−48−A−00の方法論を使用することによって決定する。] [0114] 各実施例(EX1〜EX3、およびCE1〜CE6)に対する動粘性率を、ASTM方法D445の方法論を使用することによって、100℃において決定する。報告された結果は、単位mm2/s(もしくはcSt)を有する。] [0115] 各実施例(EX1〜EX3およびCE1〜CE6)に関する総酸価(すなわち、TAN(1mgにおけるKOH/gの単位を有する))の変化を、ASTMD664−06aの方法論によって決定する。] [0116] 調製された実施例(EX1〜EX3およびCE1〜CE6)を、Low Speed SAE#2試験器でμ−PVT(μ,種々の圧力、速度および温度で得られる摩擦係数)摩擦スクリーン試験を使用して評価する。この摩擦スクリーン試験は、以下のプレート配置(S−F−S−F−S−F−S−F−S(ここでSは鋼プレートであり、Fは、摩擦プレートである)を備えるMiba MC−631摩擦物質を備えるDana Model 80プレート配置を利用し、それによって、8つの活動摩擦表面(active friction surface)を生成する。上記試験を、種々の印加圧およびプレート差動速度の関数(map)を介して、温度を50℃で一定に維持しながら実施する。190kPa、380kPa、570kPa、760kPa、950kPaおよび1075kPaの6つの印加圧設定がある。各印加圧設定において、15rpm、50rpm、85rpmおよび120rpmの4つの異なるプレート差動速度を利用する。各プレート差動速度において、25回の反復サイクルを行う。各試験は、合計600サイクル(6つの圧力×4つの速度×25サイクル)を有する。600サイクル μ−PVTもしくは摩擦関数を、耐久性サイクルの前後に行って、摩擦性能における変化を評価する。上記耐久性サイクルは、流体温度80℃における一定印加圧570kPaおよび120〜0rpmの間のプレート差動速度サイクルからなる。1つの完全なサイクルは、0rpmにおいて5秒および120rpmにおいて5秒からなる。これを、合計2500サイクル反復する。主な測定は、各別個の速度事象の間のトルク信号におけるバリエーション、もしくは上記事象の間に得られる最小摩擦係数と最大摩擦係数との間の差異を示すNVH評価付けである。この測定は、数値を、以下の表に従うトルク信号バリエーションの大きさに割り当てる: トルク信号バリエーション NVH評価付け 0〜0.02の間の摩擦係数単位 0 0.02〜0.04の間の摩擦係数単位 1 0.04〜0.06の間の摩擦係数単位 2 0.06〜0.08の間の摩擦係数単位 3 0.08〜0.10の間の摩擦係数単位 4 0.10〜0.12の間の摩擦係数単位 5 0.12〜0.14の間の摩擦係数単位 6 0.14〜0.16の間の摩擦係数単位 7 0.16より大きい 8。] [0117] これら評価付けは、1つの印加圧および速度設定において完了した全てのサイクルについて、次いで、試験全体について合計する。最大NVH評価付けは、9600ポイント(6つの圧×4つの速度×25反復×8 NVH評価付け=4800、×2(耐久前(pre durability)評価および耐久後(post durability)評価に対して)=9600)である。これは、非常に不十分な摩擦性能と考えられる。最小NVH評価付けは、0ポイントである。これは、優れた摩擦性能であると考えられる。EX1〜EX3およびCE1〜CE6について得られた結果を、以下の表に示す。上記の試験について得られた結果は、以下のとおりである:] [0118] 表に関する補注: *CE1は、耐久後NVH評価付けに失敗した。なぜなら、極めて高いトルクが装置故障を引き起こしたので、上記試験を完了する前に中止したからである。] [0119] 上記試験から得られたデータは、本発明の潤滑組成物が、差動制限装置に、(i)潤滑熱安定性、(ii)潤滑酸化安定性、(iii)高い静止摩擦係数、(iv)燃料経済性、(v)沈着物制御、(vi)シール適合性、および(vii)機械のガタガタする音としてしばしば現れる耐久後NVHに対する低い傾向のうちの少なくとも1つの受容可能なレベルを提供し得ることを示す。代表的には、本発明の潤滑組成物は、酸化安定性および機械のガタガタする音としてしばしば現れる耐久後NVHに対する低い傾向の両方、ならびに必要に応じて、潤滑熱安定性、高い静止摩擦係数、燃料経済性、沈着物制御、もしくはシール適合性のうちのいずれかを提供し得る。] [0120] 上記の物質のうちのいくつかは、最終調合物中で相互作用し得、その結果、上記最終調合物の成分が、最初に添加されるものとは異なる可能性があることは、公知である。それによって形成される生成物(本発明の潤滑組成物をその意図された使用において使用する際に形成される生成物を含む)は、容易な記載が可能でないかもしれない。にもかかわらず、全てのこのような改変および反応生成物は、本発明の範囲内に包含される;本発明は、上記の成分を混合することによって調製される潤滑組成物を包含する。] [0121] 本明細書で使用される場合、用語「ヒドロカルビル置換基」もしくは「ヒドロカルビル基」とは、その通常の意味において使用され、この意味は、当業者に周知である。具体的には、これは、分子の残りに直接結合され、主に炭化水素特徴を有する炭素原子を有する基をいう。ヒドロカルビル基の例としては、以下が挙げられる: (i)炭化水素置換基(すなわち、脂肪族置換基(例えば、アルキルもしくはアルケニル)、脂環式置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、ならびに芳香族置換された置換基、脂肪族置換された置換基、および脂環式置換された芳香族置換基、同様に、環式置換基)。ここで上記環は、上記分子の別の部分を介して完成する(例えば、2つの置換基が一緒になって環を形成する); (ii)置換された炭化水素置換基(すなわち、本発明の文脈において、上記置換基の主に炭化水素の性質を変化させない非炭化水素基(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ)を含む置換基); (iii)ヘテロ置換基(すなわち、本発明の文脈において、主に炭化水素特徴を有するが、炭素原子から構成される環もしくは鎖中に炭素以外を含む置換基);ならびに (iv)ヘテロ原子は、硫黄、酸素、窒素を含み、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルとして置換基を含む。一般に、わずか2個、好ましくは、わずか1個の非炭化水素置換基が、上記ヒドロカルビル基中の炭素原子10個ごとに存在し;代表的には、上記ヒドロカルビル基中に非炭化水素置換基は存在しない。] [0122] 上記に言及される文書の各々は、本明細書に参考として援用される。実施例におけるもの、あるいは別の箇所で明示的に示されている場合を除いて、物質、反応条件、分子量、炭素原子数などの量を特定する本明細書中の全ての数量は、用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。別段示されない限り、本明細書で言及される各化学物質もしくは組成物は、市販のグレードの物質であると解釈されるべきであり、これらは、異性体、副生成物、誘導体、および上記市販のグレードに存在することが通常理解される他のこのような物質を含み得る。しかし、各化学成分の量は、任意の溶媒もしくは希釈油を除いて示され、上記溶媒もしくは希釈油は、別段示されない限り、市販の物質中に慣例上存在し得る。本明細書で記載される上限および下限の量、範囲、および比の限定は、独立して組み合わされ得ることが理解されるべきである。同様に、本発明の各々の要素に対する範囲および量は、他の要素のうちのいずれかに対する範囲もしくは量と一緒に使用され得る。] 実施例 [0123] 本発明は、その好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、その種々の改変は、本明細書を読めば、当業者に明らかになることが理解されるべきである。従って、本明細書で開示される発明は、添付の特許請求の範囲内にあるような改変を網羅することが意図されることが理解されるべきである。]
权利要求:
請求項1 潤滑組成物であって、該組成物は、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む、組成物。 請求項2 前記潤滑組成物は、モリブデン含有添加剤を含まない、請求項1に記載の潤滑組成物。 請求項3 前記ボレート化リン脂質は、ボレート化レシチンもしくはボレート化ケファリンである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項4 前記ボレート化リン脂質は、ボレート化レシチンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項5 前記ボレート化リン脂質は、前記潤滑組成物の0.5重量%〜3重量%において存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項6 前記リン酸エステルのアミン塩は、8〜30個、12〜24個もしくは16〜20個の炭素原子を各々含むエステル基を有するが、ただし、エステル基の一部もしくは全ては、潤滑粘性の油中で該リン酸エステルのアミン塩を可溶化するに十分長い、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項7 前記リン酸エステルのアミン塩のエステル基は、各々、16〜20個の炭素原子を有する、請求項6に記載の潤滑組成物。 請求項8 リン酸エステルの前記アミン塩は、C12−20アルキル化リン酸と、三級C11−22アルキル一級アミンとの反応生成物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項9 リン酸エステルの前記アミン塩は、前記潤滑組成物のうちの0.01重量%〜2重量%、もしくは0.25重量%〜1重量%において存在する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項10 前記リン酸エステルのアミン塩は、(a)および(b)の合計組み合わせ量うちの10重量%〜50重量%において存在し;前記ボレート化リン脂質は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの50重量%〜90重量%において存在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項11 前記リン酸エステルのアミン塩は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの25重量%〜40重量%において存在し;前記ボレート化リン脂質は、(a)および(b)の合計組み合わせ量のうちの60重量%〜75重量%において存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項12 粘度調節剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項13 前記粘度調節剤は、前記潤滑組成物のうちの10〜50重量%において存在する、請求項12に記載の潤滑組成物。 請求項14 前記粘度調節剤は、(a)ポリメタクリレート、(b)(i)ビニル芳香族モノマー;と(ii)不飽和カルボン酸、無水物、もしくはその誘導体とのコポリマー、(c)(i)α−オレフィン;と(ii)不飽和カルボン酸、無水物、もしくはその誘導体とのインターポリマー、および(d)これらの混合物からなる群より選択される、請求項12〜13のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項15 前記潤滑組成物は、トップ処理濃縮物である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項16 前記潤滑組成物は、完全に調合された流体である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の潤滑組成物。 請求項17 差動制限装置を潤滑するための方法であって、該方法は、差動制限装置に、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物を供給する工程を包含する、方法。 請求項18 (i)潤滑熱安定性、(ii)潤滑酸化安定性、(iii)高い静止摩擦係数、(iv)燃料経済性、(v)沈着物制御、(vi)シール適合性、ならびに(vii)騒音、振動および不快音(NVH)に対する低い傾向のうちの少なくとも1つの受容可能なレベルを提供するための、差動制限装置における、(a)ボレート化リン脂質、(b)リン酸エステルのアミン塩、および(c)潤滑粘性の油を含む潤滑組成物の使用。
类似技术:
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同族专利:
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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